仮面ライダーゼロワン 第1話「オレが社長で仮面ライダー」
祝え!!
いや…もはや言葉は不要。ただこの瞬間を味わうがいい!!
※2019年10月31日までの限定公開らしいです
新しいヒーローの活躍に目が奪われっぱなしで幸せです。あと数週間はそんな状態が続くでしょうが、奪われた目の片隅に映った謎を列挙してみましょうか。
多くのライダー作品と同様に、ゼロワンの世界にも過去に破滅級の何かがあったことは確定的です。飛電インテリジェンスの創業と隆盛、その過程で起こったのであろうカタストロフ、デイブレイクタウンの存在。滅亡迅雷.netの正体と目的、飛電インテリジェンス前社長・飛電是之助の死の謎。飛電或人のギャグセンス。ゼロワンドライバーおよびプログライズキーの開発者は誰なのか。A.I.M.S.設立の経緯。不破 諫がAIを憎む理由、或人の父・其雄の謎…
謎だらけですが、主人公・或人がやがて直面する真実は容易には受け入れがたいものであるということだけは確信できますね。否応無しにエグゼイドを連想してしまいますが…
気に入ったシーンを幾つか挙げます
滅亡迅雷.netの滅、迅の会話。
「飛電の社長が死んだ。マギア作戦を実行に移せ」
「何それ!どうやってやんの?」
「ヒューマギアのシンギュラリティを利用するんだ」
「シンギュラリティ?」
「自我が芽生えた人工知能が人間を超える。今こそ人類を滅ぼす時が来たんだ。かつてのこの街のように」
短い会話でありながら、
・「マギア作戦」は飛電インテリジェンスの社長が死ぬまで実行に移せなかった
・その「マギア作戦」とやらについて報連相ができていない
・というか迅は多分何も分かってない
・でも滅は聞けば答えてくれるいいヤツ
・滅亡迅雷.netは相談しやすい風土で働きがいのあるアットホームな職場です!
・かつて「この街」で何かがあった
ことが一気に分かる情報量の多い場面。迅はイノセントマリス、無邪気な悪意と形容すべきでしょうか。邪魔になったヒューマギアを躊躇せず破壊するなど残忍さもチラつかせます。司令塔の滅についてはよく分かりませんがいずれは戦場に赴くのでしょうか。
まさかの変身チュートリアル。これ画期的でした。「人工知能と同じ思考速度を持った状態」は恐らく、ゼロワンドライバーを装着していればいつでも実現できるのでしょう。戦闘中は勿論、色々と使えそうな設定です。
「ルパパト」杉原監督のカメラワークが光る記念すべき令和初ライダーキックの流れ。「お前を止められるのはただ一人、俺だ!」という無限に真似したくなる決め台詞からの血界戦線よろしく画面に残る必殺技名。「ライジングインパクト」の名に違わず、大きなインパクトを残したと思います。劇場版では本物の廃バスを爆発させてほしい!
さて、第1話から沢山の謎が散りばめられていましたが一方で最大のキーワードは明確に示されましたね。
「夢」。
人が生きていく為に必要なエネルギー。機械に言わせれば非合理的かもしれないけど、人は水と酸素と栄養だけじゃ生きていけないのです。
夢は抱くもの?それとも叶えるもの?
「夢」に関する思いは人それぞれ違うと思います。私は個人的には、夢は叶った瞬間に夢ではなくなってしまうから、人は夢を複数持っていい。その方が人生楽しめるんじゃないか。そう思っています。
発達した人工知能が人類の敵となるというプロットだけで「新時代」のヒーローを名乗るのは難しいでしょうが、この「夢」というのが既存のSFとの差別化に一枚噛んでくると私は確信しています。
異なる夢と夢が衝突した時、戦いは避けられないのか?人類の発展や公共の福祉に反する夢は肯定されうるのか?夢を持てなくなってしまった人はどうしたらいい?機械は夢を見るのか—
先にエグゼイドを連想させると書きましたが、エグゼイドは毎回が息をつかせぬ波乱の展開であったと同時に「患者の笑顔」が救いになっていた作品でもありました。ゼロワン第1話も、夢を壊されかけた遊園地の支配人が笑顔を取り戻したところで幕を閉じます。或人社長の前途は多難ですが、彼自身の夢であるところの「笑いを取ること」が視聴者の、そして或人自身の希望となることを願って第1話の感想を締めくくりたいと思います。
ゼロワンドライバー明日届きます!超楽しみ!!