この終わりなき片付けとの格闘記。

ニチアサ感想や日々思ったことを綴っていきます。

劇場版 仮面ライダービルド Be The One

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※最後の方にネタバレ有り感想をちょっと書きます

 

今年も夏映画観てきました。昨年の「トゥルー・エンディング」とは違って今回は本編45・46話の間の物語でありつつ、ビルドの物語のひとつのクライマックスということで、本編との繋がりを含めて楽しみな作品でした。(それから個人的なことですが北九州市でのエキストラ撮影に参加させていただいたので、自分が映ってるかどうかも気になるところでした。多分ですが一瞬映ってたと思います…)

感想ですが、非常に良かったです。テレビ本編で進行中の本筋とは異なるところから強大な敵が現れ、それらと戦ううちに主人公の生い立ちに迫っていたり相棒との絆が試される、という構成は旧来の夏映画に近く(「仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ」なんかにかなり近い)、それでいてビルドらしい作りにまとまっています。戦兎と万丈という「相棒」の関係が描かれますが、この2人を「相棒」と呼ぶのは「W」の翔太郎とフィリップ、「オーズ/OOO」の映司とアンクの関係を見ている身としては正直、違和感を感じていました。この映画において「相棒」と明言される2人が行動を共にするシーンはあまりありません(そこがひとつのキーでもあるわけですが)。ですが「そうか、それでいいんだな」と納得しました。相棒ってのは何も、常にペアで行動していて、片方が欠けたらその機能を失ってしまう関係だけを指すのではないと。あまり詳しくは触れませんが、「ビルド」だから描けたバディムービーに注目していただきたいですね。サブライダーであるグリスとローグにも出番はあるのですが映画の焦点は完全に戦兎と万丈に定まっていたと言えます。

本編との繋がりについては「ちゃんと繋がってはいるんだけども映画を観るのは必須というわけでもなく、また映画の中だけでエピソードは完結している」という夏映画としては非常にオイシイ立ち位置で、もともと平成ライダーシリーズのファンであった脚本の武藤将吾氏が非常に上手くまとめてくれていたなと。

制作発表会見で東映の白倉さんが仰っていましたが「Be The One」というタイトルが非常にハマってる映画でありました。

本編が終わった後にもう一度観たくなる、そんな映画でした。新ライダー・ジオウのお披露目もありましたが、去年に引き続き冬映画への繋がりを思わせる内容になっていました。こちらも楽しみですね。

 

以下、ネタバレを含みます

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「父さんは、なぜ科学者になったの—?」

映画のクライマックス。まさか葛城パパの台詞に泣かされるとは思ってませんでした。

ラブ&ピース。ビルドという存在の核であり、桐生戦兎の原記憶。

「平成ジェネレーションズFINAL」の感想記事を書いた時に、この「ラブ&ピース」という言葉について触れました。いまビルド序盤を見返しはじめたばかりなので正確には分かりませんが、戦兎が「ラブ&ピース」という言葉を使ったのは恐らく「平ジェネFINAL」が初めてだったと思います。当時は戦兎が思いつきで口にした、特に深みはない台詞だと思っていましたが本編でのライダーウォーズ終盤あたりからグリスやローグといったライダーたちもが思い出したようにこの言葉を使うようになりました。

「平成ジェネレーションズFINAL」における万丈とのやりとり。「お前はどうしてビルドやってんだよ?」「決まってんだろ、ラブ&ピースのためだよ」—奇しくも、いや必然というべきか、「Be The One」における象徴的なシーンとシンクロしています。「父さんは、なぜ科学者になったの—?」「ラブ&ピースのためだ」

 

「Be The One」において、桐生戦兎という存在のオリジンと意義について、敵であるブラッド族の口から語られます。ライダーシステムの完成と、パンドラボックス起動の準備の為に作られた偽りのヒーロー…それが桐生戦兎のひとつの正体でした。

「平成ジェネレーションズFINAL」で戦兎がビルドとして戦う理由を即答できたのは、戦兎には過去の記憶が無いために守るべきもの(そして居場所)が「今、ここ」しか無いからだと思っていました。もちろんそれも理由の一つでしょうが、「ラブ&ピース」は思いつきの冗談なんかじゃなかった。葛城巧が父から受け継いだ意志そのもの、その全て。記憶を失ってもなお忘れることのなかった、科学者としての信念。存在意義。「未来を創る、ただひとつの答え。」というキャッチコピーが、ビルドという存在の始まりをそのまま表していました。

仮面ライダービルドはどんなライダーだったか。」いつか振り返る時がくるでしょう。「兎と戦車のライダー」「戦争するライダー」いろいろと表現の仕方はあると思いますが、今日から私は迷いなく「愛と平和のために戦ったライダー」と答えられます。1回目の鑑賞でこのビジョンが明らかになったことに私は満足していますし、平成最後の仮面ライダー夏映画を飾るに相応しい傑作だったと声を大にして言いたいです。

 

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あーあとルパパトは最高でした。この、この2人〜〜〜!!ってなります